辺りは少し明るくなってきていた。 山から沢山の光を放つ太陽に目を細めながら、 ちょっと振り返って見た。 そこにはわたぬき達が行った森で、 耳を澄ますと、小鳥のさえずりが聞こえてくる……。 でも、なぜだろう…? 誰も居ないのに、他にも誰かがいたようなそんな気がした。 「(……な訳ないか。)」 私はそう思いながら前に歩きながら顔を向けると、何かにぶつかった。 「…っ…何?」