とりあえずあの人達の傷の手当てをしようと、 その場を離れようと足を動かす。 「どこ行くの?」 いつの間にかさっきの声の人は前に居た。 「……。」 息を呑む。 左目を隠している髪を触りながら 軽い口調で聞いてきたため、口を開いた。 「どうして私が居るって分かったの。」 他の人達は気づいてなかった。 何故? この人が放つ答えを返さず、恐怖に耐えながら訊く。