「家臣が見ていたんだ。美沙が抱き抱えて歩く謙信を見たらしい。」 信玄が手を血が出そうなほどに握りしめる。 「お兄様??血が出ちゃう。やめて……??」 お兄様の手をそっと触れる。 そして指を一本一本、広げる。