花畑の中で

「美沙姫様のことです。」

名前を出すともっと不機嫌になっていく。

しかしここで引き下がれる訳にもいかない。

「もう一度言います。よろしいのですか??」

「……よい……のだ。」

目線を反らし書物に集中しはじめた。

その横顔は苦しそうだ。

「……美沙姫様は前よりも痩せていきました。ただ、我々に心配かけまいと無理して笑っております。」