花畑の中で

私はびっくりしてその人を押しのけた。



「のう。幸村よ。我が妹はやはり可愛らしいのぉ♪」

私は男の人を呆れたような目で見た。

とてもじゃないけど虫ずが走るわ。

「……信玄さま。美沙様が呆れておりますゆえ。」

「私……あなたの事なんて知らないわ。」

私は言う。

幸村は心底驚いた顔をしているし、謙信は今にも泣きそうな顔をしている。

「疲れたのでしょう。姫様。お部屋にご案内いたします。」

幸村と呼ばれた男性が私を案内する。