だから、挫けそうになる。
このままじゃいけないのに――ほらまた、自分はお節介をしようとしている。
藤馬たちから離れた別の山林。山の中腹に境内がある、そんな山。
境内と言っても神社として機能はしておらず、廃れ、忘れ去られた土地だろうとも、そこには二人の人間が住んでいた。
朽ち果て寸前の本殿兼住居だが、こじんまりとしている。正面から裏手に回り、五十鈴は手頃な杉の木を止まり木とした。
左の鳥目がギョロつき、じいぃと民家を――窓の中を覗き見る。
カーテンがない窓は、プライバシーも何もあったものじゃないが、その部屋はきちんとした“子供部屋”であった。
子供部屋と言っても玩具などなく、家具さえもない。ボロアパートの空き部屋みたいな六畳間の和室だが――その部屋はこの住居の子供にとって唯一安らげるスペースだったのだから、やはり子供部屋。五十鈴にとっては、足を運びたくなる部屋だった。


