気だるさが抜けた事務的な声は、無機質さを漂わせる。
儀式的場に居合わせたような、空気が張りつめた気にもなったのに――たった一人、口を耳まで裂けさせるがごとく、哄笑した者がいた。
げらげらと――
魔物めいた笑い声が木霊する。
「いいぜ、いいぜ、いいぜぇっ。“世界の守護者”なんて肩書きは興味ねえが、そいつに付属する力はちぃっとばかし魅力的だ!もともと最強な俺だしぃ、あってもなくてもいいもんだったが、貰えるもんは貰っといてやるよぅ!
なあ、おいっ!“魔法使いの主治医”よ!それでてめえは、いつでもどこでも、んな顔して俺を救ってくれんだろ!
上等だ、この上なく上等だ!てめえの苦渋舐めて、また笑ってやっから!てめえは大人しく、俺のために機能しろや!
てめえがなりたくてもなれない、選ばれたくても選ばれなかったこの立ち位置で高笑いし居続ける、憎たらしい悪役を救ってみせろ!
人の不幸は蜜のあじー、ってか?ハッ、てめえはずっと損な役回りでいろや!それで喜ぶやつがいんだからよぅ!本望だよなぁ、それしか、てめえに存在価値はねえんだからなあぁぁっ!」


