「アンパンマンに助けられたバイキンマンか、お前は」
「そんな回があったのかは知らねえけど、連想するに、そうなっちまうな」
五十鈴も知らないが、連想するに、悪いことをしてきたバイキンマンがアンパンマンに助けられ、迂闊にも良心が芽生えてしまい、今まで相手してきた正義のヒーローにした行いを悔いるような、悪役としての形を失ってしまう絵が出てきた。
正義のヒーローは悪役すらも助けて何食わぬ顔でいるだろうが、悪役にしてみれば、そのことを一生覚えて――根に持ってしてしまうことだ。
藤馬にとってはそれが我慢ならないらしい。
素直になれない奴なんだな、と五十鈴は思ったが。さざめき側にしてみれば。


