「『有り難み』など感じる性格か、お前は」
「感じねえだろうな、けど、『当たり前のことをしたまでだ』と相手に言われちまえば、もう何も言い返せなくなっちまう。悪態も侮辱も、全部が全部、“その台詞に勝てない”。
どれもが負け犬の遠吠えみてえな感じになるだろうよぅ。プライドの問題だわな、要するに。俺を救うことに“何も思わねえことがイラつく”。
無制限の無償の優しさなんて、誰を助けても忘れることとおんなじだ。どんな凄いことをしても、いくら人を救おうが、昨日の晩飯思い出すぐらいにあやふやになるほど、“日常茶飯事”だろうよぅ。
あー、さぶいぼ出る。そんな善人に助けられるだなんて、なんかもー、俺の根本がひん曲がりそうになる」


