「第一、助けろと言う相手を間違っているんじゃないのか?僕はお前が嫌いだ――いや、大概の奴はお前の唯我独尊ぶりについていけず、お前を好きになる奴なんていないけど。
“怪我人”ならば、お前を救う奴はいるだろうに。僕は医者だが、僕は患者を選ぶ。選ぶと言っても拒否することはほとんどないが、ああ、お前にはそのほとんどを使わせてもらいたい」
さざめきの横顔を見る五十鈴だが、そこで彼の裸眼を垣間見た。眼鏡と顔の隙間、覗き窓よりも判別しにくい間でも、やけに大きく垂れた目だと思った。
男にしては、と言えよう裸眼は、もしかしたらそんなことを思わせないために、色つきの厚い眼鏡をしているのかもしれなかった。


