服装がだぼっとゆるゆるだからか。シワがついた赤いスプリングコートが男のズボラさを指摘しているよう。
「……?」
赤い薄手のコートだと五十鈴は思ったが、よくよく見れば襟の形から、サイドにポケットまであるのを見て、ある衣服を思い出す。
医者が着る白衣だ。
色がまったく違うから分からなかったが、白衣と思ってしまえばそう思う。
赤に染まった白衣、“赤い白衣”なわけだが。
「誰だ?100%」
両手を赤い白衣のポケットにつっこみながら、男は言った。……藤馬に。
「はあぁ!?俺を忘れんのかよっ」
「内訳、冗談80%。からかい20%」
「って、ふざけた冗談言うんじゃねえよ!」


