俺は一呼吸おいてから、 「相手方は何て言ってる?」 「イベントに穴を空けられないので、社長さえ良ければお願いしたいと」 「そうか、わかった。支度する。案内しろ」 「はい、承知しました」 俺は沢田の後を追って控室に急いだ。 ―――何てことだ!! イベント当日に入院とは……。 しかし、今は余計なことは言ってられない。 俺が代役をすれば済むことだ。 今さらながらにセレモニーイベントの内容を 提案した自分にため息が出る。 とにもかくにも、 今はセレモニー開始時間に 間に合わせなくては……。