「要、今日からマンションに戻って良いぞ。警護もさせるし、早急にケリをつけるから」

「助かるよ……ありがとう」

「杏花さん、本当に申し訳ない。辛い思いをさせて…」

「いえ、私の方こそありがとうございました。こうして、無事なんですから頭を上げて下さい」


祖父母が杏花に対して頭を下げている。


「杏花も無事だったことだし、いつまでもこの話題が出るもの嫌だから、これで終わりにしよう!」


俺はパンッと手を叩いて、話に終止符を打った。



その後は―――、

俺の知らない料理教室の話や別荘での出来事、

祖母とメル友だという話を延々と聞かされた。