「さぁ、着いたわ」


いつの間にか、車は停止していた。

車から降りると、目の前には大きな豪邸が。

玄関前には沢山の人。

たぶん使用人の方達だと思う。


今日は色々あり過ぎて…

頭がオーバーヒートしたみたい。


クラクラ……眩暈が………。


『杏花さん!!』

頭の上で小夜さんと早苗先生が呼んでいる。


微かに聞こえる彼女らの声がどんどん遠のいて……。



優しく身体を支えられる感覚の中、

私は緊張の糸が切れ、意識を手放した。