隣の席


大きくなった胸の高鳴りはみんな同じなようで
いつもはだらけている俺らのクラスもやる気を出している

「きゃーっ!!めっちゃ似合ってるっ!!」
「……あは、は…」
「笑顔が固いぞー」
「ほら言ってみ。セリフ」
「…い、いらっしゃいませ……ご主人様…」
だんだん語尾が小さくなっていくのは
恥ずかしさか、屈辱なのかは分からない

「嫌や…」
「諦め。くじ運が悪かったんや」

ポンポンと肩を叩かれる
ギロリと佐々木を睨むが格好が格好なのでニヤニヤと笑われるだけだ

「変やろ…」
「めっちゃ似合ってる、ほんまに」