「…は~あぁ…」 「溜め息吐くと幸せ逃げるよ?元気出せ~?」 もう逃げてるかもね。 机に突っ伏すあたしの頭を、梨華(りか)が撫でる。 人の優しさが身に染みる……。 「…高杉くんって、そんなに冷たいの?」 「そりゃもう冷たいのなんのって!彼女の誘いをバッサリ断るんだよ?冷酷すぎだよ!」 言ってる間に沸々と怒りが込み上げ、勢いでガバッと顔を上げた。 梨華が少し後ろにのけぞり、苦笑い。 「…取り合えず、落ち着こうか?」 長い脚を組み直し、綺麗な黒髪を揺らした。 美人って得だなぁ……。