毎日毎日、帰りを誘うてくれる乃亜を断る。
俺としては、それでも誘ってくれる乃亜が、健気で可愛かったんや。
傷付けてる事は、分かってたけど。



それから、乃亜を名前で呼ばない。
これは、意地悪やなくて。
……ただ、恥ずかってん。
不安にさせてんの、分かってたけど。



それから、一番の意地悪は……。
他の女と一緒におること。
これはもう、完璧俺の自己満足やった。
ヤキモチ妬いて欲しくて、わざと仲良くしとった。
乃亜がいつも、梨華に相談してんの見て、勝手やけど嬉しかった。
けどそれが、こんなにも乃亜を苦しめてたなんて。
子供な俺は、気付かれへんかった……。



でも、きっと他の女と仲良くしてたんは、ヤキモチ妬いて欲しかっただけちゃうねん。
自分でも上手く言われへんけど、多分、乃亜に自分の気持ちをぶつけて欲しかったんやと思う。


乃亜は自分の気持ち、押し殺してまうから。
もっともっと、俺に“素”を見せて欲しかった。


勝手やよな……。
最低やねん、俺。
乃亜も苦労するわ。こんな彼氏。