自分の気持ちに気付いて1ヶ月。
今日はラッキーデーなのかアンラッキーデーなのか分からないが、仁科と掃除当番になった。
俺としては、嬉しいような気まずいような……何とも言えない気分。
仁科はそんな俺に気付かず、いつもの笑顔。
「高杉くん、あたしが雑巾掛けするから、掃く方お願いします!」
「…えっ?あー…うん」
アカン……柄にもなく緊張するわ。
教室には二人きりで、めっちゃ静かで。
心臓の音、マジで聞こえるんちゃうか。
心配になって仁科を見ると、必死に雑巾掛けしとった。
隅まで拭いて、すごい偉いねんけど……。
……あのさ、スカートやのに雑巾掛けはアカンわ。
パンツ見えるて!
俺は慌てて仁科の元に向かい、雑巾を持っている手を止めた。


