「…あたしで?」

「翔さんが業界に戻る話を断ってたからさ。だからリアの奴、それで怒ってたのかな」

「……」

「まぁ、気にする事はねぇと思うけど」

「……」


いや、気にするでしょ。

そんな事言われたら気になるでしょ。


「あー…また翔さんに病院行くっつっといてよ」

「……」

「翔さんには色々と感謝してっからさ。じゃなきゃ今の俺がいねぇって事だし」

「……」

「って、時間とらせてゴメンね。大丈夫?学校…」

「あ、はい」

「良かった。んじゃ、頑張って来て」

「はい。では…」

「じゃあね」


ヒラヒラと手を振る彩斗さんに軽くお辞儀をした後、あたしは何だか重くなった足取りで学校まで向かった。