「もしもーし!」

返ってきた大きな声にビックリした僕は、一度耳から受話器外した

「そんなに大きな声出さなくても聞こえるから!」

ちょっとムッと答えた。


「ゴメン。マコト、野球できる!野球チームに入れるようになったよ!」


さっきと変わらぬ声量。喜び過ぎてるって表れか。


「良かったね。一緒にこれから頑張ろね!」


これで1人じゃなくなった。僕も内心ほっとした。

どうやって頼んだかとか聞いてると、後ろから嫌な気配を感じた


恐る恐る振り返ってみると、そこには母さんという鬼が立っていた。


いつまで話してるの?と言わんばかりの目、その目に負けて僕はヒロシにバイバイと言って電話を切った


怖いよ、母さん!


でも、これで僕達は野球のスタートラインに立ったのかもしれない。