「おーい。誠!早くしなさい。」


父さんの急かす声。

「ちょっとー待ってよー。」


僕は焦りながら靴下をはき出かける用意をした。


「じゃあー母さん行ってきます。」


僕と父さんは、母さんに見送られながら野球場へ向かって行った。


「ワクワクするね」

「あはは。そうかい?」


父さんは、笑顔いっぱいの僕の顔を見ながら笑って答えた。


今日、僕の10回目の誕生日でテレビでしか見た事がなかった野球場へ連れてってもらえる事になった。