「まぁまぁ、いつかわたしが元に戻れる薬を作ってあげるよ」
「いつかって、いつだよ〜」
「そりゃぁいつかは、いつかさ」
…話にならん
こんなんじゃ、ランプを奪い取るどころか、赤ずきんの前だって出れねぇよ…
「オオカミくん…
ごめんね…」
本当に申し訳なさそうに少年は俺に謝った
「もういいよ…」
俺も好奇心なんかで実験台になったんだ
自分だって悪いのに、いつまでも少年に当たってたら悪いしな…
すんだことをいつまでもネチネチと悔やんだりするのが俺は大嫌いなんだ
「…そうだよ、すんだことはもうしょうがない
これからは前向きに進んでいくんだ!」
「ほぉ、よく決心したの
その褒美にいいことを教えてやろう」
「いいこと?」
「ちょっとこっちに来てみい」
手招きをされて、力が抜けた足にまた力を入れて立ち上がった
ばあさんについていくと、さっき見ていた鍋の中から入れたリンゴをおたまで取り出していった
「これはな、毒リンゴなんじゃよ」
「毒リンゴ?」
「そうじゃ」
何でまたこんなもんをばあさんとこいつは作っていたんだ?
「このリンゴを白雪姫に食べさせるらしいです」
心を読みとられたかのように、少年が答える
「白雪…?」
「なんでも、この森1の美女らしいですよ?」
「美女…」
それは会ってみたいものだな…
「けど何でその白雪姫に毒リンゴなんか食べさせるんだ?」
「それがですね…」
「わたしの孫娘が、自分より美しい女性なんて認めない!と、嫉妬して毒リンゴを作るように頼んできたんじゃ」
…なんちゅう孫娘だよ…
「で、ばあさんはそれを了解したのか?」
「あぁ、元々私は若い頃魔女じゃったんでな」
「ふーん…」
「マジョリーヌさんが魔女だったってことは本当ですが、本当の理由は孫娘がかわいいからだそうです」
こそこそと、ばあさんに気づかれないように耳元で話してくる
つまりは、ばあさんも孫より美しい白雪姫を許せないということか…



