「お姉ちゃん……」


「美砂は、向こうに残って。学校もあるし、美砂にはまだやるべき事がたくさんある。……お姉ちゃんみたいにはならないで?ちゃんと高校も行って、卒業して。就職して、ちゃんと自分の好きな人と結婚して、幸せになって。

いつか、子供も出来て……そんな、普通の人生を歩んでほしい。

たまに、こっちに遊びたくなったらいつでも来て。お姉ちゃんとお母さんが居るから」


「そんな……」


「大丈夫だから」



美砂の悲しそうな表情に、気付いていたけれど、あたしの決心はもう固まっていて。



「本当にそれで良いの?」


お母さんにそう尋ねられ、あたしは強く頷いた。




「ねぇ、手術はいつ受けるの?」


「……手術は受けないつもりよ」


「何言ってるの!?」



あまりの驚きに思わず、大きい声を出してしまった。