「ああ、琥珀ちゃん。わざわざ来てもらってごめんね?散らかってるけど……どうぞ」


あたしは頭を下げ、

リビングに入って行くと、家はおばさん一人だけみたいで、旦那さんと希衣ちゃんは居なかった。



キッチンの隣にあるテーブルに、あたしと美砂が隣同士で座った。


「これ自家製のオレンジジュース。口に合うか分かんないけど、どうぞ」


「ありがとうございます」



テーブルの上に置かれた写真立に目が行った。


おばさんと旦那さんと希衣ちゃんの三人が仲良く写っている写真。



それは誰が見ても幸せそのもので。

「仲の良い家族」

そう思わせるような写真だった。



自分から話をしようとしないけれど、

美砂は、この家の中でもやっぱり孤独感は感じてるんじゃないかなって思う。


前より痩せた気がするし、元気も無くなってる気がする。


きっと、おばさん達に良くして貰っているんだろうけど、やっぱり自分の居場所というものを見つけるのに苦労してるんじゃないかなって……





……そんな思いをさせているのはあたしで。