素直じゃないあたしを温めて


あの日から、柳瀬とは一言も喋っていない。
柳瀬からの着信も……無い。


それで良いんだけど、でもどこか切なくて。


もうあたしの事好きじゃなくなったんだなぁって。


そんなのすごく自分の勝手だけど……




「今からバイト?」


教室で帰る用意をしていたあたしに近寄る山崎くん。


「ううん、今日は無いよ。明日はあるけど」


「じゃあ、一緒に帰ろっか」




あたしは黙って小さく頷いた。



バイトが無い日は一緒に帰る。
それが毎日の習慣。


当たり前のように過ぎていく時間が少し切ない。