先輩と話せないまま数日が過ぎた。 「あっ…唯衣、先輩!」 下を向きながら歩いていたあたしは、日向の言葉にバッと顔を上げた。 歩いて来るのは、大好きな先輩。 「せんぱっ…」 先輩は、こっちを見向きもせずき通り過ぎた。 「っ…」 先輩の向かう先にいたのは、笑顔で手を振る美女。 学校1の美少女で、毎年ミスコンで一位。 きっと今年も。 ミスターコンの一位は渡瀬先輩なんだよね。 渡瀬先輩と並んでも凄く自然で、あたしの憧れてやまない人。 葉月新奈先輩。