「うん、俺、姫だからさ。王子が必要なんだよね」




ゆっくり、いつもの優しい顔で近づく叶斗は、あたしの耳元に唇を寄せて囁く。




「俺のこと、どう思ってる?」




意地悪な質問。


あたしは目線を逸らして呟いた。




「だから好き、なんだってば」