「輝先輩!」
「よ、唯衣」
あたしが笑ったら輝先輩も笑ってくれる。
ひさしぶりの“おはよう”のあいさつに、思わず顔がニヤける。
「輝先輩の初恋っていつですか?」
「は?んー…小学校くらいじゃね?」
なんだ…あたしじゃないのか。
少しガッカリしながら輝先輩を見上げた。
適当に答える輝先輩は、興味ないのかなって思ってると
「唯衣は?」
「あたしは…幼稚園です」
「…ふぅん」
プイッとそっぽ向いちゃった輝先輩。
なんか怒らせちゃったのかな!?
「輝先輩?」
「…」
「怒った…?」
「別に…」
拗ねたような輝先輩に生まれた、もしかしたらの妄想。
「ヤキモチですか?」
「…聞くなよバカ」
真っ赤な顔に、妄想が現実になった。



