『“輝、唯衣ちゃんのことホントに好きなんだね”って、言ったんだよ』
「聞い、た…?よな?」
かぁぁぁっと熱くなる頬を抑えて、コクンと頷く。
「はぁぁ~…マジ恥ずかし……」
頭を抱える輝先輩が可愛くて、思わず抱きしめた。
一瞬動きが止まった輝先輩に、勝てた気がしてたのに。
クイッと顎をつかまれて、上を向く。
ゆっくりゆっくり、焦らすように唇を冷たい指でなぞられる。
そして、触れるか触れないかの顔の近さで意地悪な質問。
「ちゅー、してほしい?」
“ちゅー”とか可愛いし。
妖艶な笑みはカッコいいし。
唇をなぞる手は止まんないし。
この距離でかかる吐息に心臓はうるさいし。
ていうかこんな質問、意地悪にも程があるけど。
「…して」
真っ赤になりながら呟いたあたしに、とびきり甘いキスをくれた。



