新奈先輩が転校しちゃう。
状況が理解できなくて、できてるのかもしれないけど、認めたくなくて。
あと2時間で新奈先輩が海の向こうに言ってしまうなんて、信じられなくて。
ただただ涙を流すしかできなかった。
「あたし、唯衣ちゃんが本当に羨ましかった。唯衣ちゃんと話す前は、いなくなっちゃえばいいのにってホントは思ってたの。ごめんね…」
声が出せなくて、首を振る。
「幸せに、なってよね!」
そう言った新奈先輩の瞳は、涙で濡れていて。
「はいっ……新奈先輩も幸せになってください…っ」
綺麗で、優しくて、憧れで。
羨ましかったのは確実に、あたしの方です。
新奈先輩なら、最高の幸せをつかめる。
これは予想じゃなくて、確信。



