新奈は少し考えてから口を開いた。 「あたしね、転校するの」 かなり前、唯衣と昼飯を食っていた時だった。 急に呼び出された俺は、新奈の“話”を聞いた。 三年の二学期という、季節はずれの転校。 新奈の両親の都合で、海外に行くらしい。 みんなに言うと寂しくなるから、みんなには事後報告にしてもらうと言っていた。 転校するのは体育祭の日。 体育祭だけは参加して、その足で空港まで行く。 最後の時間だから、実行委員も立候補した。