「本当に俺の口からは言えない。体育祭終わったら、唯衣もわかると思うし…今は、言えない」
「やだ、今言ってください!」
目も合わせてくれない唯衣に、俺の心は折れそうなんだけど。
でもこれだけは…言えないわけで。
「…ごめん」
「じゃあ言ってくれるまで口きかないです」
淡々と言い切った唯衣は、俺に背を向ける。
「唯衣ちゃんごめん!あたしのせいだよね…」
走ってきた新奈を見て、俺らが全校生徒の注目の的だということに気付く。
「今、言えないんだけど……その…唯衣ちゃんが思ってるようなことは絶対ないから!」
慌てて弁解する新奈は、唯衣の誤解を煽るだけだったらしく。
「じゃあ……っ…何の話してたんですか!?」



