走って、走って、ひたしら走った。 南波……唯衣は渡さないからな! 最後の数メートル。 思い切り走った。 前に見えていた南波の背中が、俺の視界から消えた。 「…ハァ……ハァ…っ」 「ハァッ……渡瀬先輩、速いっスね…」 「ったりめぇだろ…唯衣は渡さねぇよ……」