時間が止まったような気がした。 長い沈黙。 あたしにとっては一時間くらいあった気がするけど、実際は一分経ったか経ってないかくらい。 夕焼けがやけに眩しい。 「…ごめん、困らせたいわけじゃなくて…。ただ篠原が辛そうなのは、見たくない」 何も言えないあたしに、南波くんが口を開いた。 「…でも、あたし……」 「わかってる。先輩しか見えてないんだろ…?」 図星をさされたその言葉に、あたしは何も言えなくて…。