「唯衣元気ない~」 作業中、暗いあたしに、通りかかった日向が言った。 「先輩不足、でしょ?」 ニッと笑う日向には全部お見通し…っていうか笑い事じゃないよ! 確かにそうだけど! あたしは輝先輩不足だけど! 輝先輩に聞かれたら終わりなの! 必死に目で訴えるあたしを、気付いていながら完全にスルーして 「頑張れ~」 なんて言って帰る日向。 「うぅ~…っ」 半泣きで落ち込むあたしはひたすら、長い紐に世界各国の小さな国旗を結びつけた。 少し怯えた目をする南波くんなんか見えない!