どこかで『なんで輝先輩じゃないの?』って思っていた。 南波くんにも失礼だし、輝先輩を拒否したのはあたしなのに。 自分勝手だってわかってる。 だけど、わがままで、どうしようもなくても…。 あたしは、輝先輩に愛してもらいたい。 夏の暑さの残る夜。 1人で見上げた空は雲がかかって、月は見つけられない。 なんでかな、こんな時に。 出会った瞬間を思い出していた。