パーフェクトキング~俺様なヒーロー~




今日は顔合わせだけだったため、すぐに終わった会議。


「気をつけ、礼」



新奈先輩の号令を聞いて、即行で会議室を出た。


「唯衣!」



あたしの名前を呼ぶ輝先輩に、捕まりたくなかったから。




「おい篠原」


先生はさすがに無視できなくて、渋々立ち止まる。



「このプリントを配り忘れたから、実行委員全員に配ってくれ。今日中にな」


と、大量のプリントの束を渡された。



嘘でしょ…?

全員って、もう帰っちゃってる人とかもいるんじゃ……。



「頼んだぞー」



なんてのんきに職員室に戻る先生を、恨みを込めて睨みつけた。


ハゲてしまえ!


ただでさえ薄い髪が、ツルツルになっちゃえ!



小学生男子のような発想の自分に、多少傷つきながらも昇降口に急いだ。