ガチャッ ゆっくりと開いたドアに振り返ると、今一番会いたくて、会いたくなかった人。 輝先輩の茶髪が、太陽の光で更に明るく見える。 「…唯衣」 あたしは何も言わずに、目を合わせた。 「あの、さ」 少し言いづらそうに輝先輩が話し始めようとする。 どうしたって新奈先輩を思い出して。 どうしたって悔しくなって、輝先輩も不安になってほしくて。 そんな自分が子供なことは、十分わかってた。