「輝…ありがとう……」 少し震えた声の新奈先輩と、それをなだめる輝先輩が、やけに遠く感じた。 輝先輩の、助けに行った真剣な顔に。 落ち着かせようと優しく呼ぶ「新奈」の声に。 モヤモヤする。 こんな事で妬きたくないのに… 輝先輩が新奈先輩を、助けなかったら助けなかったで嫌なくせに… なのに、あたし以外の人にカッコいいことしないでほしい。 そんな優しくない自分が、一番嫌。