「どうして?」 僕の香りを吸い込むようにして彼女は首筋に顔を埋める。 「昨日たくさんあげたでしょ」 彼女が僕の首筋を控えめに舐める。彼女と出会ってから消えることがなくなった小さな傷口をいたわるように。 「昨日は昨日。今日は今日」 そんなどこかの哲学者みたいな理屈をぼそっと呟いて、彼女は僕の首筋に歯を当てた。 「いっ……、」 ぶすり、彼女の歯が首筋に埋まる。次いで、僕の血を啜る音。 命を啜る、音。