あいつは「クラッカー」と呼ばれている。

理由は簡単、クラッカーみたいだからだ。


楽しいことが大好きで、いつでもどこでも楽しそうなことにはすぐに食いつく。

そして必ず、馬鹿でかい笑い声をあげるのだ。

爆発的に。


あまりにもでかい笑い声だから、校舎全体に響き渡る。

一声であいつだと分かる笑い声は、もはやこの学校の名物であり常識だ。


そんなあいつに、私たち友人はほとほと呆れていた。

耳元でいきなり笑い声をあげられ、何度耳鳴りが聞こえたか分からない。耳が狂ってしまいそうなほどだった。

注意しても注意しても、あいつの笑い声のでかさと突然さは変わらなかった。

そこで考えたのだ。
仕返しをしようと。