「・・・カイン、オマエは寂しい奴だね」
「どうしてですか」
「子供の頃から夢を信じる気持ちがなかったんだな。それに比べてオレの可愛かったこと・・・」
「なになに?なんの話?あ、兄さん、わたしにもコーヒー。あ、やっぱりカフェオレ!あまぁくして?」
「みゅーあ」
オレが厭味っぽく溜息をついていたら、マニキュアを塗り直したリルカがリビングに戻ってきた。
ソファーから飛び降りて、リルカを出迎えるローザ。
ローザは年の割に元気で食欲もあり、そんな姿を見る度に
オレはあの日セシルと交わした約束を守れているような気がして
少しだけ誇らしい気持ちになる。


