ベンチの上、「異色」と言えようツーショット。
相手が口を開くのを、どこかで待っていた私だけど…。
チラリと視線を移せば当の本人は、何も喋る事はまるでないみたいに、なんとなく幸せそうな微笑みを浮かべて静かに座っているだけだった。
「あの…。」
そっと声をかければ直ぐに私へと視線が移り、けれど表情はそのままに、幼い子供みたいに「うん?」と返される。
「その…此処に呼んだからには私に話があるんですよね?とても大切な事。
用件は何です?」
きっと私は焦っているんだろう。
一瞬で消えてしまう夏の様に、彼もまた夢の様に、
姉が、いや、彼等二人が泣いた歳月の様に、きれいに消えてしまう。
そんな気がしていたんだ。
相手が口を開くのを、どこかで待っていた私だけど…。
チラリと視線を移せば当の本人は、何も喋る事はまるでないみたいに、なんとなく幸せそうな微笑みを浮かべて静かに座っているだけだった。
「あの…。」
そっと声をかければ直ぐに私へと視線が移り、けれど表情はそのままに、幼い子供みたいに「うん?」と返される。
「その…此処に呼んだからには私に話があるんですよね?とても大切な事。
用件は何です?」
きっと私は焦っているんだろう。
一瞬で消えてしまう夏の様に、彼もまた夢の様に、
姉が、いや、彼等二人が泣いた歳月の様に、きれいに消えてしまう。
そんな気がしていたんだ。



