ゆっくりと近付くと、一度地面に視線を移した彼は、私の影を見付けてゆるりと顔を上げた。 一、二、三…秒。 恐らくそれくらいの、ほんの些細な時間だ。 一瞬時が止まった様な感覚は、スローモーションに変わり、やがて通常の時を刻み出す。