本当はもしかしたら心配なんてしなくても、私が到着する何時間も前から其処に居たとでも言うように、ただジッと前を見据える人。
座り続けて硬直でもしているのではなかろうかと、そちらの方が心配になる程に、ただ静かに待っていた。
「私は必ずやって来る」とその信念だけを持って。

その想いが言わずとも伝わってくる気配が、ほんの少しだけ私を怯えさせてしまうのだ。

その固い意思を、どんなに心が弱ってしまっているとしても、必ず貫き通そうとする姉への想いを、
解ってしまう事が怖かった。