歩を進める速度は変わらずに、玄関を出る時の、顔に異常なまでに笑顔を貼り付かせた來玖さんを思い出しては、この湿度と同じくらいに重くのし掛かる様だった。
ほとんどの感覚が煩わしくなりそうな暑さの中で、聴覚だけは、と集中する。
「背後の足音には気を付けて。」
そう言った彼に溜め息を返したのは、これからの行動が判り過ぎていたからだった。
信用ないなぁ、と憤るも、大事にされているのか過保護なだけなのか
と、出そうもない答えを探していた。
約束の公園は、もうすぐそこだ。
心臓辺りがシクシクしてきている事にあまり気付きたくなくて
何でも良いから頭に詰め込みたかった。
ほとんどの感覚が煩わしくなりそうな暑さの中で、聴覚だけは、と集中する。
「背後の足音には気を付けて。」
そう言った彼に溜め息を返したのは、これからの行動が判り過ぎていたからだった。
信用ないなぁ、と憤るも、大事にされているのか過保護なだけなのか
と、出そうもない答えを探していた。
約束の公園は、もうすぐそこだ。
心臓辺りがシクシクしてきている事にあまり気付きたくなくて
何でも良いから頭に詰め込みたかった。



