夢は一瞬にして崩壊した。

「ガラガラと音を立てて」なんて嘘だ。
聴覚は遮断され、視覚さえ遠い彼方だった。

最高の料理、最高の恋人、最高の時間。
彼の一言で、全てが喉に込み上げてくるのを感じていた。

「別れよう。もう、いいだろう?」

彼は、いとも簡単に言って退けた。
そして最高を最悪に一瞬で塗り替えてくれた。

彼はタブーを侵したのだ。