だからこそ、こんな風に終わってしまう二人が信じられなくて、
それどころか「まだ終わっていない」と、この恋に想いを馳せ、夢にみる彼女達。

なのに何も出来ないでいる。
いや、何もしようという気が無いのだ。

「拒絶される事が怖いから。」
あの夜の誓いが、自身と同じ様に、今も彼の中にも在るのだろうかと、信じきれないでいる。

だから動き出せない。
「心の中に彼の思い出は残っている。」
それが支えになっていると言い聞かせて、言い訳して、満足した振りをする。

十分に、私を苛つかせる理由だった。
甘やかされて、望まなくてもチヤホヤされてきた恩恵だと、嫌味の一つも言ってやりたい程だ。

黒雅さんでもいい。
姉でもいい。
どちらかがきっかけを作らないのなら平行線のまま、この恋はやがて枯れてしまうだろう。