独り善がりの被害妄想だと、他人は笑うかもしれない。
血筋の者には尚更、我が儘な反抗にしか見えていないだろう。

幼少の頃に感じた「なんで、おねえちゃんだけ…」は、歳月を重ねるごとに強く濃く、私を支配し、取り巻いていく。

「初めての子供」、「初めての娘」。
それはそれは大変に慈しまれた事だろう。

私の目から見ても姉は「特別扱い」だったし、何時、どんな時も「姉優先」だった。

両親との間にどんな約束を取り付けようとも、姉を理由にドタキャンなんて当たり前。

両親の行動理由は何時だって、
「輪廻に似合いそうだから」
「輪廻が好きな物だから」
「輪廻が喜ぶから」

果ては
「可愛い輪廻。大切な私達の娘。」
「さすが、私達の娘ね。」

と「輪廻は私達の娘」を強調したがる。

そんな事、言われた事ない、と幼心に拗ねたものだ。