「意地悪しちゃ駄目だよ。」

彼の一言に疑問を持った。

「意地悪?」

「廻音、二人の件でずっと苛々してる。
腹いせにソレ、捨てちゃったりしないかなぁって。」

手紙を指さしながらクスクスと來玖さんは笑った。

「そんな事して何の意味があるの。シスコンでもあるまいし。
そもそも苛々しているのは二人がまるで中高生の恋愛みたいに焦れったくて…これで丸く収まるのなら私には願ったり叶ったり!万々歳よ。」

どうやってお姉ちゃんに差し出すかが問題だけど、と心の中で呟いて、纏っている物をポンポンと脱いでいく。

「何に興奮しちゃったの?」
と衣服を脱ぎ捨てる私に甘く囁く彼。

そっちこそ一体何を勘違いしているのか知りたい。

彼に出来るだけ冷たい眼差しを向けてシャワーを目指し、歩き出す。